乙訓環境衛生組合 60年のあゆみ

乙訓環境衛生組合 60年のあゆみ

昭和39年ー昭和50年

 乙訓環境衛生組合は、昭和39年6月17日付けで、当時の向日町、長岡町及び大 山崎村の二町一村が共同して廃棄物の処理及び最終処分を効率的に行うことを 目的に京都府知事の許可を受け設立されました。
 この当時の我が国は、高度成長の途上期にあり、好景気に伴う経済の急速な成 長から廃棄物量も増加の一途をたどった時代です。乙訓地域においてもごみの年 問搬入量が昭和41年度では約1万3千5百tでしたが、昭和45年度には約2万7百 tとなり、昭和50年度では約3万3千と急激に増加しました。
 このような社会情勢の中で、昭和40年7月に40tごみ処理施設が、同年12月に 60klし尿処理施設がそれぞれ竣工し、廃棄物処理行政の一歩を踏み出しました。 昭和42年11月に大山崎村から大山崎町へと町制が施行され、昭和47年10月に は向日町、長岡町がそれぞれ市制施行され、向日市、長岡京市が誕生しました。
 経済の成長と共に、近隣都市のベッドタウン化が進み人口が増加することによ り新たな施設整備に迫られ、昭和44年10月に80tごみ処理施設を、昭和47年9 月に長黒埋立処分地を、同年10月に80klし尿処理施設をそれぞれ竣工させ、増 え続ける廃棄物の処理に追われる時代でした。

昭和51年ー昭和60年

 この時代では大量生産、大量消費により発生した、石油化学製品を中心とした 廃棄物の処理に困難を極め、次々と「公害」という大きな問題を生むこととなり、公 害関係の法律が整備される中で、無公害型の近代的な処理方式での施設整備が 急務となりました。
 これを受け、現有施設とは全く異なる150tごみ処理施設を建設し、昭和53年4 月に供用開始しました。この焼却方式は、炉内を850℃~950℃と非常に高い温度で燃焼し、また、電気集じん器によりぱいじんが除去され、公害対策の強化が図 れました。また、増え続けるごみの減量と資源化を図る対策として、乙訓地域では 全国に先駆けて、昭和54年4月から分別収集をスタートさせました。
 ごみの増加に伴い長期的に耐用可能な次期埋立地として第1期勝竜寺埋立処分地造成工事に着手、昭和56年6月から供用を開始しました。また、昭和59年3 月に既設150t炉の補修点検時の対応炉として80tごみ処理施設の供用を開始しました。
 この頃、使用済乾電池に含まれる水銀による環境汚染が問題になり、乙訓地域では、昭和59年5月から分別収集を行い、北海道にある野村興産(株)イトムカ鉱業所で処理することとなりました。

昭和61年-平成6年

 さらなる埋立処分地の長期的な確保を目的とした、第2期勝竜寺 埋立処分地造成工事が、昭和62年に完了しました。
 乙訓地域のし尿処理の状況は、昭和54年から下水道の供用が開 始され、その普及率が、昭和60年で約32%となり、この整備が進むに伴いし尿処理量は毎年減少する状況でした。
 経済的豊かさのなかで、廃棄物も増加し、「埋立地問題」が全国共 通の問題となりました。
 勝竜寺理立処分地の延命化施策の一つとして、広域臨海環境整備法に基づき建設された大阪湾広域臨海環境整備センターへ平成3年8月から焼却残灰の一部搬出がスタートし ました。
 平成3年4月、「資源の有効な利用の促進に関する法律」が公布され、焼却処分から再生資源へと、環境負荷の少ない循環型社会の構築が始まりました。また、この年の10月には、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」が大幅に改正されました。

平成7年-平成16年

平成17年-平成25年

 地球温暖化対策の推進に関する法律の規定に基づき、平成19年4月、「乙訓環境衛生組合地球温暖化防止実行計画」を策定し、組合における全ての事務・事業を対象として、CO2の排出量削減に努めています。
 また、近年増加が著しいペットボトルの中間処理施設を新たに建設し、平成23 年4月から供用開始しています。これにより、ストックヤード施設で処理対象として いるその他プラスチック類ごみに加え、ペットボトルも効率的に処理できるように なりました。
 こうしたプラスチック系のごみが適正に分別されていることが、可燃ごみとして 燃焼される場合に比べ、温室効果ガスの抑制に最大の効果となります。
 さらに乙訓環境衛生組合では、循環型社会の構築とあわせて地球環境の保全についても寄与するため、平成25年8月に「環境宣言」を発布し、環境負荷低減活動によるさらなるCO2の排出抑制に向けて積極的に取り組んでいます。

平成26年-令和6年

 組合では、持続可能な適正処理の確保に向けたごみ処理施設の性能水準の保持、長寿命化によるライフサイクルコ ストの低減を目的として、平成26年3月に策定した「ごみ処理施設長寿命化計画」に基づき、基幹的改良工事を施工しました。乙訓二市一町では令和3年2月 より指定ごみ袋制度が導入され、住民の分別意識の高まりから可燃ごみの搬入量は減少傾向となりました。
 さらに、令和4年4月から住民・行政・ 事業者が一体となり「循環型社会」の実現を目指すため、サントリーグループ、乙訓二市一町と乙訓環境衛生組合との間において「持続可能な地域づくりの推進に関する協定」を締結し、使用済みペットボトルを新たなペットボトルに再 生することで化石由来資源の削減とCO2の削減に寄与することができる「ボトルtoボトルリサイクル事業」の取組 みがスタートしました。